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片貝の住民にとって花火は“欠くことのできない生活の一部”
予期せぬコロナ禍により、日本中の夜空から花火が姿を消した。江戸時代から脈々と花火製造の伝統をつないできた一大産地・新潟も例外ではない。なかでも最も古い歴史をもつ「花火のふるさと」片貝にも「花火のない夏」が訪れた。“欠くことのできない生活の一部”として花火を愛する片貝の住民は落胆し、花火製造・打ち揚げを一手に担う地元の煙火店「片貝煙火工業」は存亡の危機に瀕していた。なす術のない人々は天を仰ぎ、「花火の聖地」と称されるまちの鎮守・浅原神社に毎日のように祈りを捧げることしかできなかった。